2026/10/14 09:30

ファッジを日本でもっと普通のお菓子にしたいですねえ。
そう思う理由のひとつは、ファッジを買える場所が、あまりにも少ないと感じているからです。
英国展で知ってくださった方が、また食べたいと思っても近所のお店ですぐに買えるとは限りません。
OHISAMAのオンラインストアで買っていただくことはできます。
でも、食べたいと思ったときに、もっと気軽に買える場所があってもいいですよね。
もちろん、英国ならどこへ行ってもファッジが売られている、というわけではありません。
それでも、コーンウォールの港町にある観光地のファッジショップや、牧場に囲まれたファームショップを訪ねると、ファッジに出会う機会がよくあります。
種類も豊富です。
場所によっては、食品スーパーでも売られています。
日本では英国展で出会うことが多いファッジですが、英国では旅先のお店や、買い物の途中で出会えることがあるんです。
ノムさんは、こういう違いを変えていきたいなと思っています。
ただ、買える場所を増やせば、それで解決するわけでもありません。
そもそも、日本ではファッジを知らない方が、まだまだ多いんです。
お店に並んでいたとしても、「これ、何のお菓子?」「どんな味がするの?」と思われたままでは、なかなか手に取ってもらえません。
パッケージのせいもあるんでしょうね。
缶や四角い袋に入っていると、紅茶か何かと勘違いされるお客様も少なくありません、、、。
英国食文化に関心の高い人が集まる英国展でさえ、ファッジを知らない方がまだまだ多いのが実情です。
気軽に買える場所を増やすことと、ファッジを知ってもらうこと。
この2つを一緒に進めていかなければ、ファッジは日本に根づかないんだろうなと思います。
そんな中で、ノムさんが何度も実感していることがあります。
ファッジは、実際に食べてもらうと話が早いんです。
店舗で試食していただくと、気に入って、そのまま購入してくださる方が実に多くて。
だから、8月の日本橋三越英国展を終えて広島に帰ってからは、紅茶にファッジを必ず添えるようにしました。
味を知ってもらうのと、食べ方を知ってもらうためです。
ファッジを初めて食べる方は、がぶっと一口で食べてしまうことも多いんです。
それはそれでいいのですが、ちょっとずつかじりながら、紅茶と一緒に楽しむのもおすすめです。
こういうことは、言葉で説明するより、実際に体験してもらうのが一番ですね。
そうそう、オンラインストアで注文してくださったお客様の近所から、別のお客様の注文が入ることもあります。
もちろん、すべてが試食や口コミのおかげとは言い切れません。
でも、誰かが実際に食べて、「これ、おいしいよ」と伝えてくれる。
その力は大きいと感じています。
Instagramでお菓子の情報が流れてきても、「ふーん」くらいにしか思わないけど、友達からすすめられたら「ふんふん」と前のめりになりますよね。
やっぱり、実際に食べた人のひと言は強いんです。
ノムさんが目指しているのは、英国展でファッジを見つけたときだけ食べるお菓子じゃありません。
いつもの紅茶を淹れたときに、ファッジもひとつ。
友達が遊びに来たときに、「これ、食べてみて」とファッジを出す。
そんなふうに、普段のティータイムの中に自然とファッジがある。
そのためには、ファッジの味や食感だけでなく、どんなふうに楽しむとおいしいのか、誰かと食べるとどんな時間になるのか。
そういうことも、伝え続けていく必要があると思っています。
以前、英国の方から、英国では外で気軽に食べられるものが好まれると聞いたことがあります。
実際、英国では持ち歩きやすい形で売られている食べ物をよく見かけます。
フィッシュ&チップスは紙のトレーに入っていたり、コーンウォール名物のパスティーは薄い紙袋に入れて手渡されたり。
そして、ファッジもそうでした。
お店で量り売りしてもらうと、紙袋にポイっと入れて渡してくれる。
「すぐに食べるんでしょ」と言わんばかりです(笑)。
もちろん、英国と日本では食文化も暮らし方も違います。
それでも、ファッジが特別なお菓子としてではなく、気軽に買って食べるものとして存在している。
ああいう風景が、日本でも見られるようになったらいいなあと思うんです。
そして、もうひとつ。
ファッジを日本でもっと普通のお菓子にしていくためには、OHISAMAだけが頑張っていても限界があります。
ファッジを作る人が増える。
お店で扱ってくれる人が増える。
ファッジを知って、楽しんで、誰かにすすめてくれる人が増える。
そうやって、少しずつファッジに出会える場所や機会を増やしていかないといけません。
オンラインストアでは、一度購入してくださったお客様のうち、リピートしてくださる方が約半数いらっしゃいます。
これは、本当にありがたいことです。
でも、ノムさんとしては、もっともーっと増やしていきたい。
一度食べて「おいしかった」で終わるのではなく、紅茶を飲むときに思い出してもらう。
コーヒーや牛乳と一緒でもいいんです。これもフツーに、とってもおいしいですから(笑)。
食べ終わったら、また楽しみたいと思ってもらう。
そして、近所のお店で買えたり、誰かにすすめてもらったりすることが、特別ではなくなる。
そんな日が、ノムさんが生きているうちに訪れたら、うれしいですね。
そのために、OHISAMAとして何ができるのか。
ファッジを知ってもらうこと。
食べてもらうこと。
そして、また食べたいと思ってもらうこと。
ひとつずつ、続けていきたいと思います。
書いている人 ノムさん
広島生まれ。英国菓子と紅茶のある暮らしOHISAMA代表。
公務員の家庭に育ち、大学を卒業後は食品会社に就職。一念発起して会社を退職し、宮島でパン屋を創業したものの繁忙期と閑散期のギャップから体調を崩し僅か5年で離島。その後、業種を変えながら再起を図るもうまくいかず、借金が2,500万円まで膨れ上がる。
これが最後の挑戦と覚悟を決め、安定した人気のスコーンを深堀りしていくことに。すると、その原点であるスコットランドのスクーン城にたどり着き、そこから英国菓子に興味が広がっていく。何世紀も変わらないレシピや伝統といった神秘性にハマり、店では全然売れなかったがとにかく作り続けて、売れ残ったものを食べる日々を過ごす。
そんなある日、東京の英国展に招待されてから人生が大きく動き始める。広島でも英国菓子が売れ始め、中でもファッジは借金を完済できるようになるまで経営の柱に成長。今では英国へファッジの取材へ行ったり、ファッジの歴史を調べることが大きな生きがいになっている。
